ギタリストの生形真一さんも愛用

自宅でギター録音やMIXをするなら、オーディオインターフェイスはユニバーサル・オーディオArrowがオススメ!

自宅でギター録音やMIXをするなら、オーディオインターフェイスはユニバーサル・オーディオArrowがオススメ!

2019/11/15


Nothing's Carved In Stoneのギタリスト生形真一さんも愛用している、ユニバーサル・オーディオのDSP内蔵オーディオインターフェイス「Arrow」。ギターアンプやエフェクターをPC上で再現できるソフトウェア「UADプラグイン」が標準で付属しているため、ギター録音からミキシングの作業まで、音楽制作でフル活用することができます。その性能を詳しく見ていきましょう。

文:小川悦司、堀豊(STUDIO 21)
写真:生井秀樹

Universal Audio Arrow

生形が所有しているArrow。制作ルームを作ったタイミングでオーディオインターフェイスが欲しくなり、エンジニアとマニピュレーターに相談したところ、Arrowを薦めてくれたという。実際、音が良くて使いやすいため、気に入っているそうだ。UADプラグインは未使用だが、フリードマンなどのアンプを試してみたところ好印象だったとか。「実機にすごく似ていて、いい音だと思いましたね。操作に慣れれば使えそうだし、いつかは使ってみたいです」(生形)

「Arrow」は、この価格帯では最高音質と言っても過言ではないほどのサウンドクオリティを持つ、デスクトップタイプのオーディオインターフェイスです。その魅力のひとつに、プロフェッショナルなレコーディングスタジオのクオリティを持つ、「UADプラグイン」が使えるという点があります。

UADプラグインとは、様々なレコーディング機材を再現した、同社のソフトウェアのことです。例えば、ニーヴやapi、テレトロニクス、パルテックといったメーカーが開発した、プロのレコーディングスタジオの定番アウトボードに加えて、ギタリストにはうれしい、マーシャルをはじめとした数々の定番ギターアンプまで、この小さな筐体の中で再現することができます。しかも、一般的なオーディオインターフェイスに付きものの「レイテンシー」(モニター音の遅延)がほぼありません。ですから、何のストレスもなく演奏に集中できます。

Arrowには標準でも十分な数の、定番アウトボードのプラグインエフェクトが付属します。さらに、好みに応じて、様々なアウトボードやアンプをエミュレートしたプラグインを、オンラインで追加購入することも可能です。マーシャルの歴代ラインナップが多く用意されている他、フェンダーやエングル、フリードマン、FUCHSなどがラインナップされているのもギタリストにはうれしいでしょう。

特徴1 アンププラグインのかけ録りと後がけができる

ArrowはDAWを介さない、ほぼゼロレイテンシーのモニタリングが可能なため、本物のアンプとまったく変わらない感覚でギター演奏が行なえます。これはギタリストにとってとても魅力的です。

例えば、DAWの前段にアンプシミュレーターのプラグインをインサートしてかけ録りすることも可能です。ユニバーサル・オーディオ独自のUnisonテクノロジー(後述)によって、一般的なアンプのプラグインとは比較にならないほど、自然な反応が得られます。

また、アンプシミュレーターをインサートしつつ、ノンエフェクトの信号をDAWに録音することもできます。この方法なら、録音後にアンプの種類を変更したり、ゲインを細かく調整し直したりもできるわけです。

状況によって、この2つの方法を使い分けるのが得策です。

Consoleソフトウェア

Arrow用のコントロールソフトウェア「Console」。Unisonでかけ録りしたい場合は、①にアンプをインサートする。通常のインサートは②で、こちらはかけ録りとノンエフェクトの録音の両方に対応している

Consoleソフトウェア

「UAD REC」を選択すると、インサートしたプラグインのかけ録りができる。「UAD MON」を選ぶと、モニターではウェットなサウンドで聴こえるが、実際はノンエフェクトのサウンドがレコーディングされる

特徴2 Unison対応のギターアンプでリアルな音作りができる

Unisonテクノロジーとは、アンプのインピーダンスや、ゲインをコントロールした時の反応まで、実機の挙動を忠実に再現する技術です。ゲインのコントロールや、ギターのボリューム操作による歪み方の変化はもちろん、そのトーンの変化も実に自然。特にギターのボリュームやトーンを駆使して弾くギタリストにとってはうれしいポイントです。「ソフトウェア上で音が再現されている」ということを忘れてしまうほどです。

一般的なアンプシミュレーターでは、例えばギターのボリュームを絞ってバッキングを弾いてから、ボリュームを上げてソロプレイを弾く場合などに、リアルさが物足りないことがあります。ですが、Unisonテクノロジーを採用したArrowでは、本物のアンプを使っているかのような錯覚に陥るほど、その挙動が自然です。

UADプラグイン

ギター録音にぜひとも使いたい付属のプラグイン。①クラシカルな歪みが魅力のMarshall PLEXI CLASSIC。画像はNothing's Carved In Stone「Who Is」のサウンドを、セミアコとの組み合わせで再現したセッティングだ。②コールドプレイからデューク・エリントンまで多くの現場で使われてきた、チューブプリアンプの定番UA 610-B。エレアコやフルアコにオススメだ。③Plexiタイプのマーシャルで歪みがもの足りない場合は、プロコRAT(ディストーション)をエミュレートしたRAWがオススメだ

特徴3 まだまだたくさんある! 魅力的なオプションのアンプモデル

追加購入できるプラグインは14日間のデモ使用が可能です。自分好みのアンプモデルを探してみるといいでしょう。

UADプラグイン

①いわゆるツイード系のフェンダーアンプ、FENDER 55 TWEED DELUXE。ブルースにマッチするが、深めの歪みも意外とイケる。マイクもビンテージ系が備わっており、これを実機で再現するのは至難の技だ。②ハイゲイン系サウンドが欲しい時に最適なSUHR SE100 AMPLIFIER。マーシャルを進化させたサウンドで、ピッキングニュアンスにも忠実。③ヘヴィロックやメタル系に向いているDiezel Herbert Amplifier。クリーントーンも秀逸で、幅広いサウンドを演出できる。7弦ギターを弾いている人にオススメだ

Arrowに標準で付属している、ミキシングで使うと効果的なUADプラグイン

Arrowには、ギターアンプやエフェクターのプラグインだけでなく、ミキシングに利用できるプリアンプやコンプ、リバーブなども標準で付属されています。その中からエンジニアの堀 豊氏が、「Who Is」のミックス作業をする際にオススメのモデルを教えてくれました。

UA 610-B Tube Preamp and EQ

プリアンプ/EQ UA 610-B Tube Preamp and EQ

ボーカルやベースの存在感をグッと増すことができる

60年代に登場し、今も製品で使われているチューブプリアンプ「610」に採用されている回路を再現したプラグインが、この「UA610-B」です。これを使うだけで、真空管ならではのドライブ感あふれる、モダンなサウンドが得られます。

例えばボーカルなどの個別のトラックに挿すと、歌の存在感をグッと増すことができます。また、ハイ/ローの2バンドEQも備えているので、ローをカットしつつハイは明るめにするなど、音色のコントロールが容易にできます。

中央の大きいノブはチューブアウトのゲインで、その下のアウトプットノブは純粋なボリュームコントロールです。例えばベースに使う場合、ゲインノブを上げて少し歪み感を強めてから、アウトプットノブを下げることで、適正な音量にすることができます。

ただし、DSP消費率が比較的大きいプラグインなので、トラックごとに個別に挿していくと確実にパワーが足りなくなります。そんな時は、複数のトラックの信号を送るバスチャンネルやマスターチャンネルにまとめがけをして、うっすらチューブ感を足す、サチュレーター兼トータルEQ的な使い方が有効です。トータルコンプの前に挿すか後ろに挿すかで印象がだいぶ変わるので、イメージする音像になるように色々試してみましょう。

1176SE/LN Classic Limiting Amplifiers (Legacy)

1176SE/LN Classic Limiting Amplifiers (Legacy)

ボーカルの勢いを出したり、ギターの抜け感を強くするのに有効

レコーディングスタジオにあるコンプレッサーの代表的な機種「1176」を再現したプラグインです。実機を造ったユニバーサル・オーディオ社が自ら開発したプラグインなので、再現性は非常に高いです。ブラックフェイスとシルバーフェイスの2モデルがあり、それぞれ音色が微妙に異なります。

スレッショルドのツマミはなく、どれくらい音を潰すかはインプットとアタック/リリースの設定がキモになります。ボーカルの子音を強くして勢いを出したり、ギターソロにかけて存在感や抜け感を強くしたりと、様々な用途で活躍してくれます。また、レシオボタンを同時に全部押す(シフト押しながらクリック)ことで、1176独特の荒く潰れたサウンドを得ることができます。

ドラムの場合は、スネアやトップマイクなど、パーツごとに1176をかけたいところです。もしドラムトラックが2ミックスしかない場合は、そのトラックを「ドライのトラック」と「1176を強めにかけるトラック」に分けるといいでしょう。両者をミックスすることで、コンプの荒々しい迫力を出しつつ、原音のアタック感を残すこともできます。ドライのトラックを基本にして、コンプのトラックを足していくのがポイントです。

Precision Mix Rack

Precision Mix Rack

こちらのPrecision Mix Rackは、「Precision Channel Strip」(チャンネルストリップ)、「Precision Delay Modulation/Precision Delay Modulation Long」(ディレイ、コーラス、フランジャー)、そして「Precision Reflection Engine」(空間シミュレーション)の3セクションで構成されています。

特徴としては、DSP占有率が極めて低いこと、音色的にピュアで色付けが少ないこと、そしてミックスで使いやすい機能が搭載されていることです。今回は特にオススメの2つを紹介します。

まずPrecision Channel Stripは、5バンドのEQとコンプが装備されており、各トラックのEQ/ダイナミクスの処理が低負荷で行なえます。動作が軽くて非常に使いやすいのが特徴です。

Precision Delay Modulation/Longは筆者もよく使うディレイ/モジュレーションです。ボーカルやエレキギターとの相性が良く、音数が多いオケの中でも、ディレイやコーラスがわかりやすくかかってくれます。このプラグインではいずれか1つのモードしか選べませんが、複数挿せば1段目でコーラスをかけて、2段目でディレイをかけたり、パラメーターの異なる複数のディレイを組み合わせて複雑な空間を作るといったことができます。

RealVerb Pro

RealVerb Pro

各楽器の響き方の違いで音の前後感を表現する

RealVerb Proは、シンプルなユーザーインターフェイスながら、音響空間を自由にデザインできるリバーブです。定番のホール系やチャーチ系、ルーム系、ゲートリバーブなど豊富なプリセットを備えているので、リバーブのファーストチョイスには持ってこいです。

またプリセットだけではなく、豊富なパラメーターを備えています。アーリーリフレクションのタイプ(形状と大きさ)を2種類設定して混ぜたり、空間の壁の材質を設定して減衰時の特性をシミュレートすることも可能です。実在する空間だけでなく、現実にはありえない響きを作ることまでできてしまいます。

ミックスにおいては、各楽器にかけたリバーブの響き方で音の前後感を表現できます。なので、タイムや大きさの異なる複数のRealVerb Proを用意して、音像を前に出したいトラックには短めのタイム、後ろに置きたい場合は長めのタイムに送ることで、音に立体感を出せます。また、ギターやシンセの「音色」の一部として使うことも可能です。派手にしたい場合はインサートでかけてミックス具合を調整し、その後に1176などのコンプをかけると、そのパートをエフェクティブに際立たせることができます。

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