世界初「マルチレイヤーIR」テクノロジーを搭載

ズーム「G2 FOUR / G2X FOUR」を人気ギタリストAssHが徹底レビュー!

ズーム「G2 FOUR / G2X FOUR」を人気ギタリストAssHが徹底レビュー!

2023/01/30

ズームから新開発のマルチレイヤ―IR機能を搭載したギター用エフェクツ&アンプエミュレータ「G2 FOUR」と、そのエクスプレッションペダル搭載モデル「G2X FOUR」がリリースされました。ここでは、YOASOBI、AI、EXILEといった多方面でサポートギターを務め、昨年11月より新たにロックバンド「Silver Kidd」での活動も始動したAssHさんにご協力頂き、製品の魅力を徹底レビューしていきたいと思います。

取材:目黒真二 写真:小貝和夫


◉製品の概要
「G2 FOUR」「G2X FOUR」は、100種類以上ものアンプ/エフェクトモデルを内蔵し、最大6個(+1ペダルエフェクト)を自由な接続順で同時に使用可能なギター用エフェクツ&アンプエミュレータです。新開発のマルチレイヤーIRを採用した22種類のアンプモデルと、有名ブティックペダルのモデリングを含む79種類のギターエフェクトを標準搭載し、さらにiOS/Android用アプリ「Handy Guitar Lab for G2 FOUR」からも本機をコントロールすることができます(オンラインで50種類以上のエフェクトを追加配信予定)。その他、ルーパー機能、リズムマシン機能、チューナー機能、ヘッドフォン端子、音楽プレイヤーを入力できるAUX IN端子を備え、日頃のプラクティスからライブステージまであらゆるシーンに対応できる仕様となっています。


 

注目ポイントその①
ピッキングの強弱に応じて3つのIRを動的にブレンド

世界初「マルチレイヤーIR」テクノロジー

世界初「マルチレイヤーIR」テクノロジー AssHイメージ

 

アンプシミュレーターの機能の中でも、再現度を左右するのが「キャビネットの鳴り」の感触です。現在ではその鳴りを、IRデータを採用することによって再現していますが、一般的なシミュレーターは、単一のIRデータしか使用しておらず、本物のアンプが持つダイナミックなレスポンスが実現できていませんでした。

「G2 FOUR」「G2X FOUR」では、LOUD(大)/MEDIUM(中)/SOFT(小)という音量によるキャビネットの3つの挙動をキャプチャーし、ギターの音量やピッキングの強弱に合わせてブレンドすることで、極めて忠実で自然な、キャビネットが支配する空気の揺れを生み出しています。実際にそのアンプを鳴らしたことがある人も納得する響きが体感できます。
 

【AssHさんによるレビュー】

最初からまったく自然に、違和感も何もなく音を鳴らせました。IRで、それがマルチになることでアンプシミュレーターとしての再現度がさらに高まっているんだと思います。本物のアンプを知っている人ほど自然に弾けると思いますし、知らない人でも「これが本物の鳴りなのだ」と感じられると思います。例えば、マーシャル系って年代によって全然印象が違うのですが、MS1959というシミュレーション(プリセット103、114などで使用)なんかはかなり自分好みでマルチIRによる恩恵を感じます。僕は、ギターのボリュームもひんぱんに上げ下げするし、ピッキングのダイナミクスもかなりつけるタイプなのですが、そういうプレイにもきちんとサウンドが追従してくれるし、マルチIRは弾いていてもすごく楽しいですね。

 

注目ポイントその
ズームオリジナルの6種類のアンプモデルを搭載

「G2 FOUR」「G2X FOUR」には、前述の「マルチレイヤーIR」をセットにした22種類のアンプ(16種類の定番アンプモデルとズームオリジナルの6種類のアンプモデル)が入っています。特にズームオリジナルの6モデルは、ビンテージからモダンまで、古今東西の名機と呼ばれる定番アンプを組み合わせるなど、本機ならではと言えるものです。これら6モデルに関して、AssHさんにサウンドの印象を聞いてみました。
 

【AssHさんによるレビュー】
 

KRAMPUS

 

・KRAMPUS
ハイゲインですごく迫力があって、コードをジャーンて弾いたときの分厚いトーンが魅力的です。音の密度がすごく詰まっているのでクリーンでも腰があってアタックが立つサウンドですが、やはり歪んだサウンドが得意なアンプです。
 

REDLOOM

 

・REDLOOM
クリーン系ですがジャジー、ブルースな感じもいけるし、ファンキーなのもいいですよね。クリーンを軸にしておいて、アンプの前に歪み系のエフェクトを入れて素直なドライブを作ると気持ち良いです。
 

VELVET

 

・VELVET
KRAMPUSとREDLOOMの良いとこ取りをしたガッツリした歪みとクリーンなトーンの両方がすごく良い感じです。ギターのボリュームは一定でも右手の強弱だけでダイナミックに音色が変わるので、IRの恩恵を一番受けているアンプかもしれないです。
 

MUDDY

 

・MUDDY
名前からしたらブルースですが、ちょっと独特のトーンで、それがMUDDYという名前になっているのかなと思います。ただ、うまく弾いたらうまく聴くこえるけど、逆だと・・・というビンテージならではの特徴もあって、プレイがそのまま出るアンプですね。
 

7 HEAVEN

 

・7 HEAVEN
レンジが広いのでモダンなピックアップに相性が良いアンプです。高音の伸び方に特徴があって、ビブラートをかけながら伸ばしていくと倍音が少しずつ膨らんでくる感じもとてもリアルですね。そういうニュアンスまで再現してくれるすごいアンプだと思います。
 

POLLEX

 

・POLLEX
クランチ気味なのですが、ちょっとクリーン寄りにしてコードを弾いたときの音がすごくきれいですね。コードのディテール(構成音)がすごくわかる良いアンプです。激しく弾けばアタックがしっかり出るので、スラップ系のプレイでもブレずにしっかりと鳴ってくれます。

 

注目ポイントその
歴代のヒット曲を連想させる250種類のプリセットパッチ
 

「G2 FOUR」「G2X FOUR」には250種類のプリセットが用意されております。そして、これらはすべて年代順(新しいものから古いものへ。1953年〜2021年までの名曲を再現)にヒットした楽曲を思わせる音色となっております。曲そのものはもちろん、サウンド的な時代背景まで参考にできる、まさに「クロニクル的な資料」であるとも言えます。これを作ったズーム開発陣に「あっぱれの言葉を贈りたいです!
 

【AssHさんによるレビュー】

どれもこれも懐かしくて、コメントが止まらなくなりそうです(笑)。気になったものを挙げたらキリがないので、ここではいくつかランダムにピックアップしてみたいと思います。
 

003:CosmicSan2019

 

003:CosmicSan2019

 

・003:CosmicSan2019
これはTom Misch &Cory WongのCosmic Sansのシミュレートですね。このカッティングのオートワウの感じが本当にそっくりに仕上がっています。
 

031:BlueOrch2005

 

031:BlueOrch2005

 

・031:BlueOrch2005
これはWhite StripesのBlue Orchidですよね。アメリカのガレージ・ロックらしいファズ、そしてオクターバーがオリジナルの雰囲気を出しています。
 

107:Daddy,Br 1991

 

107:Daddy,Br 1991

 

・107:Daddy,Br 1991
これはMr.BigのDaddy,Brother.Lover.Little Boyのサウンドですね。MS1959、マーシャルサウンドのIRシミュレーションがしっかりと生きているサウンドです。
 

155:Sparkle1982

 

155:Sparkle1982

 

・155:Sparkle1982
これは多分、山下達郎さんのSparkleのクリーンカッティングをシミュレートしたものだと思いますが、1980年代の特徴がよく出ていると思います。

 

注目ポイントその④
わかりやすい操作性
 

「G2 FOUR」「G2X FOUR」は初心者にもわかりやすいグラフィック画面と、操作性にもこだわりが詰まっています。まず、「G2 FOUR」「G2X FOUR」を起動した際に、「アンプ」と「ライン」のどちらにつないで使用するかの選択画面が表示されます。ここまで親切にガイド表示される製品も他にないのではないでしょうか。
 

起動画面

 

また、操作性の面で言えば、大型のカーソル型スイッチも便利です。基本的に足元だけで操作できるように考えられていて、プリセットパッチの切り替えやエフェクトのオン/オフ、パッチ内でのエフェクト/アンプの切り替えなどが行なえます。基本的な操作ならマニュアルいらずで扱えるはずです。
 

大型のカーソル型スイッチ

 

さらに専用アプリ「Handy Guitar Lab for G2 FOUR」(iOS版/Android版)を使ったエフェクトのエディット、将来的にはエフェクトの追加、プリセットパッチの入手なども行えます。そんな多機能を誇っていても、ギターケースに、そしてエフェクトボードにも余裕で入るサイズで、気軽に持ち運び/導入できるもメリットです。
 

「Handy Guitar Lab for G2 FOUR」(iOS版/Android版)

 

【AssHさんによるレビュー】

操作性はほとんど問題なかったです。ズーム製品が初めてという人でも、ちょっと触ればすぐにわかると思いますよ。僕はテーブルに置いて操作しましたが、足元でエフェクトやアンプが切り替えられるのはすごく便利だと思います。そして、念入りに音をEQ調整するときにはツマミを使うというコンセプトも良いと思います。デザイン的にもただの四角の平面じゃなくて、微妙に斜めにカットされているので、全体的に小さくスッキリとした感じも好印象です。本体も小さいのですが、ACアダプターも小さいのには驚きました。ACアダプターがけっこう大きいものもあるのですが、これはどちらも小さいのでギグバックに入れても持ち運びやすいです。
 

わかりやすい操作性イメージ

 

まとめ


最後にあらためてAssHさんに「G2 FOUR」「G2X FOUR」を試奏した感想、そして、どのような方にお勧めしたいか、ご自身はどのように使ってみたいかを聞いてみました。

【AssHさんの感想】

これまでマルチを使ってこなかった人や、これまでのアンプシミュレーターに納得してない人にはぜひ使ってみてほしいですね。自宅で本物のアンプを好みの音にするのは難しいですが、これさえあればすぐに納得いく音で弾けると思います。プリセットの再現度もすごいので、好きなギタリストの真似をしたい人なんかもモチベーションが上がると思います。

それと「G2 FOUR」「G2X FOUR」はオーディオインターフェイスとして使える点もポイントですね。僕の場合、制作環境は自宅に整っていますが、曲作りに集中したいときに敢えて地方に行って環境を変えて制作に挑むこともあるんです。そういうときに「G2 FOUR」「G2X FOUR」とギター、ノートパソコンを持っていけば、どこでも制作環境が整うし、フットワーク軽く制作ができそうです。そういった意味では、ギターを自宅で楽しんだり、ライブで使うだけでなくて、楽曲制作をやろうとしている人にもお勧めだと思います。



 

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製品情報



ズーム「G2 FOUR


価格:オープン
(市場想定価格 24,000円前後 税込み)
発売中

ZOOM G2 FOUR

 


ズーム「G2X FOUR


価格:オープン
(市場想定価格 28,000円前後 税込み)
発売中

ZOOM G2X FOUR

 


G2 FOUR / G2X FOURのな特徴

・新開発マルチレイヤ―IR搭載、よりリアルになった22種類のアンプ/キャビネットモデル
・有名ブティックペダルのモデリングを含む79種類のギターエフェクト
・iOS/Android用アプリ「Handy Guitar Lab」から、追加エフェクト/プリセットパッチの入手、パッチメモリーの編集が可能
・最大6エフェクト+1ペダルエフェクトを同時使用でき、接続順も自由に並べ替え可能
・300種類のエフェクトパッチをメモリー可能(ファクトリー/ユーザー兼用)
・ボリューム、ピッチ、ワウなど、エフェクトをリアルタイムにコントロールできるエクスプレッションペダル搭載(G2X FOURのみ)
・ギターケースのポケットに収まる、軽量コンパクトデザイン
・最長80秒のフレーズを録音できるルーパー機能
・ルーパーと同期再生できる68種類のリズムパターン
・演奏環境に合わせて全体の音質を瞬時に調節できるアウトプットEQ
・音楽プレイヤーなどを接続できるAUX IN端子
・エフェクト設定を自動保存するオートセーブ機能と、編集内容をパッチ呼び出し時または工場出荷時の状態に戻すリバート機能
・オープンチューニングやドロップチューニングにも対応するチューナー機能
・Handy Guitar Labとの接続、2IN/2OUTのオーディオ・インターフェースおよびファームウェア・アップデート用USBポート
・付属ACアダプタ(AD-16)またはUSBモバイルバッテリーで駆動
・外形寸法/質量: 【G2 FOUR 】 184 mm (W) x 145 mm (D) x 71 mm (H) / 707 g
【G2X FOUR】 274 mm (W) x 150 mm (D) x 71 mm (H) / 951 g

 

 

AssH

AssH

新世代ギタリスト・ソロアーティストとして国内外問わず活躍中。Single「OMG」が楽曲・MV共にiTunesチャート1位獲得。また、昨年1月に配信リリースした「Waves」がiTunes(日本)のインストトップランキングで1位を獲得。さらに、ボーカルを全面的に押し出した「You can be anything」がiTunesのチャートで1位を獲得。現在までに、YOASOBI・AI・EXILE・渡辺美里・倖田來未・Hey!Say! JUMP・鶯籠など、多方面でサポートを務める。YouTubeの関連動画再生数が6億回を超える実績を持つ。昨年11月より、新たにロックバンド「Silver Kidd」の活動を始動。
 

Silver Kidd

Silver Kidd

日本語・英語ネイティブバンドとして、日本を拠点に世界で活躍を目指し指集結。国際的なルーツ、幅広い音楽性キャリアを持つこれまでに類を見ないグループである。
 

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