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スティング、2年振りのジャパン・ツアーがスタート!(初日福岡公演の模様をいち早くお届け)

スティング、2年振りのジャパン・ツアーがスタート!(初日福岡公演の模様をいち早くお届け)

2019/10/08


スティングスティング

写真:田中紀彦

スティング
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ニュー・アルバムにしてベスト・アルバム『マイ・ソングス』を携えたスティング2年ぶりの日本ツアーが昨夜、福岡を皮切りにスタートした。その模様をいち早くお届けしよう。

2年振りとなる来日公演の皮切りとなった福岡。実に14年振りにこの地を踏んだSTING「MY SONGS」ツアー。チケットは販売開始早々にSOLD OUT!開場と同時に会場である福岡国際センターのロビーはコンサート・グッズとCDを買い求めるお客さんの長蛇の列が。久しぶりの福岡公演を待ちに待っていたファンの高まる期待感と熱気に満ち溢れていました。

定刻の19時を少し過ぎたところで客電が落ち、まずはバック・メンバーの面々がステージ左手から登場。ほどなくして今夜の主役であるSTINGが使い慣れたベースを抱えた状態で「真っ赤なTシャツ姿」でステージ中央へ!その立ち姿は14年前と全く同じくスタイリッシュな「あのSTING」そのもの。何てカッコいいんだ!!バック・メンバーが着ているダーク系の色味のTシャツとSTINGの赤色とのコントラストがステージに良く映えてます。1曲目はザ・ポリス再結成の来日公演の時と同じく「孤独のメッセージ(「MESSAGE IN A BOTTLE」:ザ・ポリス1979年2ndアルバム『白いレガッタ』:『REGGATTA DE BLANC』収録)で幕を開けました。

パンパンパンパン!という力強いスネア・ドラムのアタックに続いて、あのギター・アルペイジオのイントロだと分かると歓声と共に会場一体となる手拍子が巻き起こり、次いでSTINGが「JUST A CASTAWAY~♪」と一声歌い出すと更なる大歓声と共に一瞬にして場内がヒートアップ!「ロック・クラッシック曲」が持つパワーの偉大さを痛感すると同時に全く衰えを知らないSTINGのヴォーカリストとしての不変振りをも痛感する驚喜のオープニングでした。その熱気のまま曲は「ルーズ・マイ・フェイス・イン・ユー(IF I EVER LOSE MY FAITH IN YOU)」へ。1993年リリースのソロ4作目『TEN SUMMONER’S TALES』のオープニング曲だったこの曲はSTINGの弾くベースラインが聴きどころ。イントロと間奏で聴かれるハーモニカの音色が美しいです。エンディング間際に「フクオカ。。。コンニチワ」と軽く挨拶を挟んで「IF I EVER LOSE MY FAITH~♪」のリフレインで曲が終わると再び大きな歓声と拍手が会場を包みます。

その余韻がおさまるのを待たず「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」(1987年2ndソロ作『…NOTHING LIKE THE SUN』)のイントロが!真っ赤なバックライトにSTINGのシルエットが映え渡るそのカッコ良さときたら!早くも3曲目でこのキラー・チューンの登場はヤバイです(笑)。エンディングではこの曲のメインテーマである「BE YOURSELF NO MATTER WHAT THAY SAY~♪」のフレーズをSTINGとオーディエンスが掛け合いで歌い、お客さんの気分もすっかりクールな「イングリッシュマン」に。曲が終わりひと際大きな歓声が起こると間髪入れずに力強いエイトビートのドラムに乗せて「セット・ゼム・フリー(IF YOU SOMEBODY SET THEM FREE)」へ。

この曲は1985年1stソロ作『ブルー・タートルの夢(『THE DREAM OF THE BLUE TURTLES』)の1曲目でありソロ・アーティスト:STINGとしての1stシングルでもあった記念すべき1曲。この曲では男女によるバックコーラスの2人が大活躍。曲の後半からはオリジナルには無かったハーモニカ・アレンジによってまた新鮮な雰囲気が楽曲に吹き込まれていました。そしてここでも曲終わりの余韻に浸る間もなくSTINGの「ワン、トゥ、スリー」というカウントでドラムがフィルインして次の曲「マジック(EVERY LITTLE THING SHE DOES IS MAGIC)」へ。ザ・ポリス1981年の4thアルバム『GHOST IN THE MACHINE』からのヒット・シングル。ゆったりとしたテンポから徐々に盛り上がってきてサビでポップに弾ける構成は否が応でもオーディエンスの気分を高揚させます。曲の最後では恒例の「イヨオ~♪」というフレーズでの大合唱が起こりSTINGからも「ドモアリガトウ!」の言葉が。と、ここでメンバー紹介に。まずは長年のパートナーであるドミニク・ミラー(G/Vo)から。そしてもう一人のギタリストは、ナント!そのドミニクの息子であるルーファス・ミラー。いい息子さんを持った父親です!

続いてジョシュ・フリーズ(Dr)、ジャマイカ出身とアナウンスされたケヴォン・ウェブスター(Key)、男性バックコーラスのジーン・ノーブル、女性バックコーラスのメリッサ・ムジーク、そして今回のバック・メンバーの要とも言えるハーモニカのシェーン・セイガーの順で7人のバック・メンバーが紹介されました。「シェーンがスティーヴィー・ワンダーのパートを演奏するよ」と口添えられて曲は「ブラン・ニュー・デイ」へ。1999年リリースの6thアルバム『BRAND NEW DAY』のタイトル曲。シェーンのハーモニカがフューチャーされたこの曲のアレンジを耳にした時、今回のツアーのライヴ・アレンジにおいて彼が果たす役割が大きいものであることに気付かされます。この曲以外でもオリジナルではサックスやキーボードでプレイされているパートを彼のハーモニカが取って代わって演奏されるシーンがいくつもあるのです。公演を通して是非、彼の演奏にも注目して下さい!

「次の曲は何年も前にメアリー・J・ブライジとレコーディングした曲で、今夜は美しいメリッサ(・ムジーク)と」という紹介で披露されたのは2003年の7thアルバム『セイクレッド・ラヴ』に収録されているデュエット曲「ホェンエヴァー・アイ・セイ・ユア・ネーム」。ソウルフルなメリッサの力強い熱唱に会場はこれまでの雰囲気から一転。オーディエンスも2人の歌声をじっくりと聴き入り引き込まれていきました。そして曲は「フィールズ・オブ・ゴールド」(『TEN SUMMONER’S TALES』収録)。個人的にはSTINGのソロ・バラードの中でも最も好きな曲で美しいメロディと歌詞の世界が素晴らしいナンバー。間奏の印象的なアコースティック・ギターのソロ・パートをドミニクではなく息子のルーファスに託していたのが驚きでした!この曲でここまでの高ぶった気持ちがクールダウンされてから、心地よいレゲエのリズムに一転しての「イフ・ユー・キャント・ファインド・ラヴ」。昨年リリースされたSHAGGYとのコラボレーション・アルバム『44/876』収録のナンバーを今回のセットリストに盛り込んだことからも、いかに彼がSHAGGYをリスペクトし共演したことを誇りに思っているかが伺えます。

そしてここでも間髪入れず次なる楽曲「シェイプ・オブ・マイ・ハート」(『TEN SUMMONER’S TALES』収録)へ。先の「フィールズ・オブ・ゴールド」と並んで多くのファンに愛されている彼の代表的バラード・ナンバーの筆頭。ここでもシェーンのハーモニカが活躍します。随所でオリジナルには無い、コーラスのジーンによるエモーシォナルなヴォーカル・パートが加えられたことで楽曲に新たな感動を吹き込んでいました。

感傷的なムードの中で次に重ねられてきた演目は「アラウンド・ユア・フィンガー」(「WARAPPED AROUND YOUR FINGER」/ザ・ポリス1983年のラスト・アルバム『SYNCHRONICITY』収録)。まるでボブ・マーリーのレパートリーかのようなスロウなレゲエ・ビートにリアレンジされたのに加え、オリジナルのハイトーンな歌唱も低いトーンで静かに歌われたことで聴き手をゆっくりと包み込む不思議な感覚に曲の印象が変貌を遂げていました。続いてSTINGの「ワン、トゥー!」というカウントからドラムのジョシュ・フリーズの手数の多い激しいプレイが炸裂する「ウォーキング・オン・ザ・ムーン」(『REGGATTA DE BLANC』収録)へ。曲間では「イェーオ~♪」というフレーズの大合唱が起こり、そのバックにジョシュの重厚でアクロバティックなドラムが絡むという、これまで聴いてきたこの曲のライヴ・アレンジでは今回のヴァージョンが一番カッコイイ!と思いました。途中「ゲット・アップ、スタンド・アップ/ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(1973年)」の一節が盛り込まれていたこともVERY GOOD!! 今日のライヴのハイライトのひとつでした。

そしてこの曲のアウトロが終わるのを待たずに再びSTINGの「ワン、トゥー、スリー」のカウントからダメ押しレゲエ・リズムでたたみかける「ソー・ロンリー」(ザ・ポリス1978年1stアルバム『OUTLANDOS D’AMOUR』収録)。「アラウンド・ユア・フィンガー」から続く3曲の流れからも、彼の音楽ルーツの深く太い部分がレゲエ・ミュージックで占められていることを改めて思い知らされる一幕でした。途中で「待ってました!」と思わず声を上げたくなるドミニク・ミラーによるギター・ソロも少し披露されて大満足。それにしても「寂しくてたまらない、僕はひとりぼっち…」という内容の歌なのに、サビでは大合唱+手拍子で盛り上がる「不思議な曲」であることも改めて気付かされました。おそるべし!(笑)

続いてまたもアウトロに重なるようにエキゾチックなイントロに導かれて彼の90年代キャリアを締め括るに相応しかった大名曲「デザート・ローズ」へ(『BRAND NEW DAY』収録)。白光のバックライトに照らされて両手を挙げるSTINGのシルエットが眩い!ここにきてヴォーカルはますます色気を帯び、ミステリアスな曲の雰囲気を相まってオーディエンスを完全にノッウアウト。ホント、参りました!一方で荘厳なシンセサイザーを中心とした重厚なサウンド・プロダクションによるハードなロック・アレンジは、このバンドが持つポテンシャルの高さを見事に物語っていました。曲終わりからほどなくしてジョシュのスネア・ドラムがカットイン…そう、「見つめていたい」(「EVERY BREATH YOU TAKE」/『SYNCHRONICITY』収録)。エッ!もうこの曲やっちゃうの?ということはライヴも終わりが近いの??というさびしい予感をこらえながら、この「80’s BEST SINGLE楽曲(1983年第26回グラミー賞最優秀楽曲)」をかみしめる様にオーディエンスの皆が聴き入ります。

エンディングで再びメンバーの紹介を挟み、サビのフレーズのリフレイン。この時間が永遠に終わらなければいいのに。。。という切なる願いは叶わず、やっぱり終わりは来てしまいます。ここまでノンストップで一気に聴かせる進行で本当に“アッという間”に本編終了。「ほんの一瞬、夢を見ていたのか?」と思えるほど「秒速」で時が過ぎたような不思議感覚に。何だか身体も気持ちもフワフワしていました。

ほどなくして再びメンバーが登場、間延びすることなく高揚感が残った状態でのアンコールへ。ここからは問答無用の鉄壁のレパートリー!まずは「キング・オブ・ペイン」から(『SYNCHRONICITY』収録)。イントロでは原曲のスチュワート・コープランドによる木琴の代りにルーファス・ミラーが奏でるミュート・ギターによるニュー・アレンジが施されていました。「見つめていたい」と共にもう何百回と耳にしてきた曲ですが、やっぱりライヴでの味わいは格別。ギター・ソロもきっちりとドミニク・ミラーがキメてくれます!続いてドミニクによる「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ」というリフが。「ロクサーヌ」!(『OUTLANDS D’AMOUR』収録)。おそらくSTINGのレパートリーの中で「最もキーが高い」曲のはずなのに、まぁ相変わらずよく声が出ること!!今月初めに68歳になったとは、とてもとても思えない「強靭なる声帯」にはただただ驚くばかりです。

続くは同じくザ・ポリスの1stアルバム冒頭を飾っていた「ネクスト・トゥ・ユー」。やんちゃなパンク・ロッカーよろしく、でも軽~く「大人の余裕」でサラリとやるあたりが彼らしいスマートさ。どこから見ても聴いてもカッコよくしかない「STINGの存在」って何なのでしょうね?

「サンキュー、フクオカ~ユーアー・ビューティフル・オーディエンス」と言葉を発してからベースからアコースティック・ギターに持ち替えて、いよいよラスト曲の定番である「フラジャイル」へ(『…NOTHING LIKE THE SUN』収録)。あぁ、本当にライヴが終わってしまう。。。という気持ちに襲われながらも本編ラストの「見つめていたい」の時と同様に全オーディエンスが彼の歌声・音楽とその姿を静かながらも熱く見聴きする様はとても感動的で美しい光景でした。「ドモアリガトウ~!See You Again,Good Night!」と言ってステージ袖に帰っていく「真っ赤なTシャツ姿」が変わらず眩しかったです!!

14年という長い年月を経て実現した待望の再来福公演は「ジャパン・ツアーの初日」を飾るに相応しい120点満点の思い出に深く残るライヴとなりました。曲間の無駄なブランクやMCを入れることが全く無く、タイトに進行するライヴ構成をはじめとして。大型ビジョンや派手なセット・照明も必要とせず「音楽そのもの」とそれを「演奏」し「歌う」8人のミュージシャンが正面からシンプルに音楽を届けるだけで、ライヴとは充分に感動できる音楽芸術の形なんだな、という事を今回のSTINGのライヴで教えてもらったような気がします。明日からの幕張2公演、12日の仙台公演、そして15日の大阪公演と進んでいくジャパン・ツアー。もし今、迷っている方がいらっしゃるのであれば「絶対にご覧になること」をオススメします!STINGは誰も疑う余地のない真の天才ミュージシャンの一人だと思います。彼と同じ時代に生きて彼の音楽を享受できることの幸せを心の底から感じています。

松田康宏

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