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ピッチ修正ソフト「Melodyne 4 Studio」で始めるボーカルトラック編集術【第2回】

ピッチ修正ソフト「Melodyne 4 Studio」で始めるボーカルトラック編集術【第2回】

2016/06/09


飛澤正人(プロフィール):Dragon Ashや鬼束ちひろ、THE野党などの作品を手掛けているエンジニア。生のサウンドとブレイクビーツをシームレスに融合して構築する空間表現に定評がある。

ピッチ修正ソフト「Melodyne 4 Studio」を使ったボーカルのピッチ修正法や、効果的な使い方などを紹介する連載の第2回。今回は、ピッチ修正作業を効率良く行なうためのツールとショートカット、新機能の「倍音」と「EQ」の使い方について詳しく解説していきます。

文:飛澤正人

ピッチ編集が効率良く行なえるツールとショートカットキー

前回はピッチ修正についての概念的な話をしましたが、今回はボーカリストの小寺可南子さんのご協力の元、2月にリリースされた「Sentimentalism」(作詞:小寺可南子/作曲:山田玄紀)を本企画のために歌い直していただき、その音源を使用して、実践的なMelodyne 4の使い方と新機能を説明していきます。この音源はこちらで聴けるので、チェックしてみてください。

さて、ピッチ編集を効率良く行なうには、メインツールとショートカットキーを使って編集する術を身に付けましょう。メインツールはとてもフレキシブルなツールで、blobの中央付近にマウスポインタを合わせて、上下方向のドラッグで「ピッチ変更」、左右方向のドラッグで「タイミング変更」が行なえ、ポインタをblobの上部に持っていくと「ノート分割ツール」になります。ピッチやタイミングの変更は微調整がほとんどだと思いますので、音程については編集ウィンドウの左上にあるト音記号、タイミングについては右上の音符マークをクリックして「スナップなし」に設定しておくと、微調整がしやすくなります。

また、スナップをオンにして使う場合でも、MacのOptionキー(Windowsの場合はAltキー)を押した状態だと、グリッドを無視して自由にピッチやタイミングが動かせるようになります。筆者は基本的にスナップをオンにしていて、右手をトラックボール、左手の人差し指をCommandキー、中指をOptionキーまたはShiftキー、薬指をControlキーに置いて操作しています。

このメインツールを使った操作に慣れたら、次に「ピッチツール」の使い方を覚え、音程の揺れを調整できる「ピッチモジュレーションツール」までを覚えれば、大概のボーカルトラックのピッチは修正することができます。
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編集したいblobをクリックすると赤色に反転する。blob の中央にポインタ(画像内のはポインタの位置を示す)を持っていき、上下に動かすとピッチ変更、左右に動かすとタイミング変更が行なえる。デフォルトではマウスの動きに合わせて音が鳴るように設定されているので、ピッチの微調整を耳で確認して行なえる

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メインツールでblobの上方4分の1のエリアにポインタを持っていくと自動で分割ツールに変わる。分割したい位置でダブルクリックするとblobが分割され、それぞれ別の編集ができるようになる

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blobを分割したところ

 

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エディットウィンドウ内のどこにポインタがあっても、Controlキー+クリックをすると、その場でエディットツールボックスが現われるので、余分な操作をせずにツールの切り替えを行なうことも可能だ

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各ツールは、ファンクションキーのF1~F6を押すことでも切り替えられる

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エディットウィンドウのどの部分をダブルクリックしてもその場から音源が再生されるが、不必要な変更を加えてしまう可能性があるため、基本的には左画像の赤く囲んでいるエリアをクリックするといい

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Command+Optionでズームツール(Windowsの場合はCtrl+alt)、Command+Shiftでスクロールツール(Windowsの場合はCtrl+Shift)になる

 

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音のつながりが悪くなってしまった部分は、「ピッチツール」をセレクトしてからblobの間にマウスポインタを合わせると、つながりを滑らかにしてくれる

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ピッチの揺れが気になる場合は、「ピッチモジュレーションツール」を使うと揺れを軽減させたり、逆にビブラートを深くすることが可能だ

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