約5年振りのフィジカルリリースとなる新曲に注目!

浅井健一「METALLIC MERCEDES」インタビュー

浅井健一「METALLIC MERCEDES」インタビュー

2019/05/30


2月28日(木)に2曲同時に配信リリースした「HARUKAZE」、「ぐっさり」に続き、ソロ名義としては約5年振りのフィジカルリリースとなる浅井健一の新曲「METALLIC MERCEDES」。5月29日(水)に発売となった今作では、新たに3曲(METALLIC MERCEDES/INDY ANN/Freedom)を録り下ろして収録し、初回生産限定盤には昨年新木場STUDIO COASTで行われた浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS「Sugar Days Tour 2018」のファイナル公演の模様も収録されるという。ここでは、絵画も高く評価されているという浅井さんの手掛けた「ぐっさり」のMVや、日頃の作曲方法、レコーディング秘話などに迫ってみた。ファン必見のインタビューだ。

取材:東 徹夜(編集長)
 

──まず「METALLIC MERCEDES」の話をお伺いする前に、浅井さんご自身が手掛けたというイラストが話題のMV「ぐっさり」についてお聞きします。モチーフとなる絵は何枚くらい描かれたのですか?

浅井:あの絵、全部だよ。絵を動かすのは、動かしてくれる人がいて。その人と話して作っていった感じかな。

──絵を描かれていた期間は?

浅井:2日とか。

──絵は紙に書くのですか、それともペイントソフトとか?

浅井:紙だね。水性のペンで。

──日頃から絵を描く時は水性のペンが多いのですか?

浅井:いや、色々。その目的によって。

──静止画を動かしてアニメーション化するにあたって、どのような苦労がありましたか?

浅井:最後、うつむいてる青年が段々と笑顔になって、空を見たときに表情が変わるんだけど、それは自分で1枚ずつ描かないとダメじゃん。でも、その時に同じ顔が描けなくて。違う人になってしまって。そこが苦労したところだね。

──カラーリングなども凝ってますよね。

浅井:一番最初は俺が自分で付けて、後は絵を動かしてくれる人と意見を交換しながら、ミックスして作っていった感じ。

──このMVで伝えたかったことや世界観、見所について、あらためてコメント頂けますか。

浅井:MVは、ショートバージョンの後からがいいんだよね。見所というと全部見所だね。

──わかりました。では、続いて5月29日にリリースされた新作についてですが、「METALLIC MERCEDES」はいつ頃作られた曲なのでしょうか?

浅井:だいたいの感じのものが去年の秋くらいに出来ていて、それを今年の2月、3月くらいに完成させたという感じ。

──「METALLIC MERCEDES」というかなり具体的なワードがタイトルになっていますけど、浅井さんが普段メタリック・メルセデスに乗っているとか?

浅井:いや、「METALLIC MERCEDES」というのはベンツのことじゃないんだよね。ラテン語で「神様の恵み」っていう意味なんだよ。だから、車のベンツではない。でも、そうやって思っている人はたくさんいると思うんで、それを説明しておいてもらえると助かるな。

──この曲はメロディー、コードのどちらから作られたのですか?

浅井:フレーズだね。「ディン、ディン、ディン」っていう曲のド頭の。

──では、メロディーというよりもリフですね。

浅井:そうだね。

──そういったリフはギターで考えるのですか? それとも鼻歌とかで?

浅井:ギター。

──それはご自宅で?

浅井:いや、このリフに関しては、友達の家で合わせている時に出来たものなんだよ。

──以前は、深沼元昭さんのような方とオケを作っていたこともあると思いますが、今作は?

浅井:今回はそういう人はいなくて。みんな生で作っていった感じ。

──浅井さんが作曲で使うギターはアコギですか?

浅井:曲によっても変わるんだけど、ヤイリのアコギだとか、最近だとレスポールを使うこともあるかな。

──ちなみに「METALLIC MERCEDES」では?

浅井:これはフォークギターだね。

──ヤイリの?

浅井:そう。

──レスポールを使う時は、実際にアンプなども通して?

浅井:いや、PODってあるじゃん。あれを通した音をスピーカーから出して。

──PODを使う場合は、音色はどんなものをチョイスすることが多いですか?

浅井:それは本当に色々だね。曲調によっても変わるし。

──歌詞に関しては、普段はどのように書かれているのですか?

浅井:一気に全部書ければいいけど、なかなかそういうわけにはいかなくて。何日かに分けて。

──この「METALLIC MERCEDES」に関して、特に大変だったところを挙げるとすると?

浅井:特にここというのはないかな。いろんな場面があるし、今となっては覚えてないね。

──その都度、閃いた歌詞を書くわけですね?

浅井:閃く時もあるし、なんか色々と必死こいて書く時もあるしさ。

──個人的には「瞳の中で船出をしてく」という表現が素敵だなと思いましたけど、この展開は自然と出てきたのですか?

浅井:そうだね。

──プレイヤーの皆さんに聴かせるデモテープというのは作られるのですか?

浅井:いや、作らない。基本的にはリハーサルスタジオに入って、みんなで作り上げてって、それをレコーディングするっていう感じ。

──リハスタでは同時進行で何曲か作るのですか?

浅井:一概には言えないんだけど、例えば「METALLIC MERCEDES」だと、2〜3月くらいに別の曲もレコーディングしていたね。その時は仲田先輩と心平と、4曲くらいやってたかな。で、「INDY ANN」は実は1年くらい前にKILLSのメンバーでレコーディングしているんだけど、その時も別の曲を録っていたし。「Freedom」に関しては、去年の夏くらいに美央ちゃんと2人でレコーディングしたやつで。そういった意味では、出来ている時期はバラバラなんだけど、今回シングルを出すにあたってベストな選曲をしたっていう感じなんだよね。

──実際のレコーディングはどのように行なっていくのですか?

浅井:レコーディングで俺たちがやっているのは、「せーの」で歌もベースもドラムも同時に録ることだね。で、歌だけは後で録り直すこともあるんだけど。

──歌は2〜3回録るんですか?

浅井:いや、もっとめちゃくちゃ録ったりもすることもあるし、2〜3回で「あ、これ絶対にいいよね」ってこともあるし。

──「METALLIC MERCEDES」はどちらの方だったんですか?

浅井:多かったと思う。

──表現するのが難しい箇所があったとか?

浅井:その時、喉の調子が悪かった。やったんだけど、今日良くないねってことになって。で、また違う日に録り直したりもしたんだ。

──演奏に関して、浅井さんの方からメンバーに細かく指示を出すこともあるんですか? それともある程度お任せで?

浅井:ある程度任せるし、言う時は言うし。

──この曲に関しては?

浅井:ちょびっと言ったかな。

──というと?

浅井:始めのドラムの入り方なんだけど、最初はもっと複雑な感じで叩いていて。それを「シンプルでいいよ」って。

──サウンド面でこだわった部分はどうですか?

浅井:それはもちろんすべてだよね。

──レコーディングでは、どのような機材を使ったのですか?

浅井:スタジオで録る時は、グレッチかレスポールか、ストラトをマーシャルから出して。そこから選ぶ感じ。

──「METALLIC MERCEDES」では何をチョイスされたのですか?

浅井:たしか、レスポールだったかな。レスポールカスタムだと思う。

──それはテックの方が用意したヴィンテージとか?

浅井:いや、俺の持っているやつで、ヴィンテージじゃない。90年くらいのやつ。

──そのギターを気に入っている理由は?

浅井:単純に音が好きかな。でも、それはたまたま90年だっただけで、今回たくさんあるギターの中からそれを選んだというわけではないね。

──エフェクターなどは何を使っているのですか?

浅井:エフェクターはヴィヴァーチェ。ディストーションとして。

──浅井さんのプレイでは使用頻度が高いメーカーなのですか?

浅井:そうだね。昔から使っている。

──では、今度は「INDY ANN」についてお聞きします。この曲はどのように生まれてきたのでしょうか?

浅井:なんでか知らないけど、曲ができて。それに合う歌詞を一生懸命に考えてできただけだよ。

──レコーディングでのエピソードなどはありますか?

浅井:これはKILLSのメンバーとやったんだけど、もう1年以上前だし、忘れたね(笑)。

──(笑)。では、「Freedom」についてはいかがですか?

浅井:これは最初からアコギで作った曲なんだけど、ちょうどアコースティックツアーでヴァイオリンの人とライブもやっていて。で、いつかレコーディングしたいと思っていたんだよね。そしたら去年の夏にようやくそれが実現して。で、今回のタイミングで出せることになったんだ。

──レコーディングでは、アコギとヴァイオリンは一発で録るのですか?

浅井:うん。

──今までもそういったことはあったのですか?

浅井:あるよ。昔、SHERBETSの「セキララ」っていうアルバムで。

── ヴァイオリンとの一発録りは大変ですよね。

浅井:そうだね。でも、そっから逃げちゃうとダメな気がして。何回もやり直しがきく状況でみんなやりたがるし、それもわかるんだけど、結局何かが違うんだよね。

──歌詞の中にある「そいつにとっては自由で楽しいことかもしれないが違う人にとっては深く悲しいこともある」という部分が印象的に思いましたが、これは浅井さんご自身の経験から出た言葉ですか?

浅井:ちょうどパリでイスラム教徒の人達を馬鹿にした風刺を書いている人が殺された事件があってさ、その時にできた曲なんだよね。今の世の中は、自由の意味を履き違えている人がいると思ってね。

──そうだったんですね。わかりました。では、あらためて今作「METALLIC MERCEDES」の聴きどころと、今後のツアーに向けて意気込みをお願いします。

浅井:「METALLIC MERCEDES」もいいけど、あとの2曲もすごくいいので、ぜひそれも含めて聴いてほしいです。あと、ツアーに関してはこの前のKILLSのツアーも最高だったんだけど、今度のツアーはそれ以上に最高にするのでぜひ見に来て欲しい。

──浅井さんに憧れているバンドマンも多いと思いますが、そういった方に何か最後にアドバイスを頂けますか?

浅井:まず自分がカッコいいと思うバンドがいないとダメだよね。誰でも最初は真似から始まるじゃん。全然それでいいと思うし。でも、そのうち自分の曲を作ることになった時は、もちろん才能も必要かもしれないけど、自分が本当に思っている気持ちを歌にするといいと思う。それが一番いいよ。


 

【リリース情報】
2019年 5月29日(水)リリース
シングル「METALLIC MERCEDES」

《初回生産限定盤(CD+DVD)》BVCL 964~965 価格:2,200円(税抜)/ 2,376円(税込)
<CD収録曲>(初回生産限定盤・通常盤 共通)
    •    METALLIC MERCEDES
    •    INDY ANN
    •    Freedom

<DVD収録曲>
「浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS Sugar Days Tour 2018 Final at Shinkiba STUDIO COAST」
    •     Watching TV ~English Lesson~
    •     Vinegar
    •     どっかいっちゃった
    •     OLD PUNX VIDEO
    •     パイナップルサンド
    •     スケルトン
    •     ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車
    •     すぐそば
    •     Turkey
    •     Beautiful Death
    •     SKUNK
    •     Fried Tomato
    •     DERRINGER

《通常盤(CD)》BVCL 966 価格:1,000円(税抜)/ 1,080円(税込)

購入URL:https://aoj.lnk.to/-mlqP

【ライブ情報】
浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS
「INDIAN SUMMER QUATTRO GIGS」

6/22(⼟)名古屋CLUB QUATTRO  
OPEN 17:30 START 18:30 info  JAILHOUSE 052-936-6041

6/23(⽇)⼤阪CLUB QUATTRO  
OPEN 17:00 START 18:00 info  清水音泉 06-6357-3666

6/29(⼟)渋⾕CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:30 info  SMASH 03-3444-6751

6/30(⽇)渋⾕CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 START 18:00 info  SMASH 03-3444-6751

TICKET  ¥5,000 (TAX IN、1 DRINK ORDER)
チケット情報:http://www.sexystones.com/live/

 

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浅井健一
METALLIC MERCEDES

2019年5月29日(水)発売


浅井健一「METALLIC MERCEDES」初回生産限定盤
《初回生産限定盤(CD+DVD)》
BVCL 964~965
価格:2,200円(税抜)/ 2,376円(税込)

<CD収録曲>(初回生産限定盤・通常盤 共通)
01. METALLIC MERCEDES
02. INDY ANN
03. Freedom
 
<DVD収録曲>
「浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS Sugar Days Tour 2018 Final at Shinkiba STUDIO COAST」
01.  Watching TV ~English Lesson~
02.  Vinegar
03.  どっかいっちゃった
04.  OLD PUNX VIDEO
05.  パイナップルサンド
06.  スケルトン
07.  ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車
08.  すぐそば
09.  Turkey
10.  Beautiful Death
11.  SKUNK
12.  Fried Tomato
13.  DERRINGER
 




浅井健一「METALLIC MERCEDES」通常盤
《通常盤(CD)》BVCL 966
価格:1,000円(税抜)/ 1,080円(税込)
 
予約URL:
https://aoj.lnk.to/-mlqP
 
【『METALLIC MERCEDES』店舗購入者特典】
全国共通特典:
オリジナルステッカー(浅井健一 本人デザイン)
対象店舗:
https://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/kenichiasai/shoplist/190529/
 
TOWER RECORDS全店(オンライン含む、一部店舗除く):
オリジナルステッカー(浅井健一 本人デザイン)
 
※全国共通特典とTOWER RECORDS特典はそれぞれ別絵柄となります。
※特典は数に限りがありますので、無くなり次第終了となります。予め御了承下さい。
※対象店舗は一部を除きます。詳しくは各店舗にお問い合わせください。
※上記店舗以外での配布はございません。ご了承下さい。

【ライブ情報】
浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS「INDIAN SUMMER QUATTRO GIGS」


6/22(⼟)名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:30
info  JAILHOUSE 052-936-6041
 
6/23(⽇)⼤阪CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 START 18:00
info  清水音泉 06-6357-3666
 
6/29(⼟)渋⾕CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 START 18:30
info  SMASH 03-3444-6751
 
6/30(⽇)渋⾕CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 START 18:00
info  SMASH 03-3444-6751
 
TICKET  ¥5,000
 (TAX IN、1 DRINK ORDER)
チケット情報:

http://www.sexystones.com/live/

【イベント出演情報】
浅井健一&THE INTERCHANGE KILLS


7/13(土)北海道『JOIN ALIVE』
9/15(日)神奈川『BAYCAMP 2019』

【BIOGRAPHY】


1964年生まれ。愛知県出身。1991年にBLANKEY JET CITYのボーカル&ギターとして、シングル「不良少年のうた」とアルバム「Red Guitar and the Truth」でメジャーデビューを飾る。数々の名作を残し、2000年7月に惜しまれつつ解散。その後、SHERBETSやJUDEなどさまざまな形でバンド活動を続け、2006年7月にソロ名義では初となるシングル「危険すぎる」、同年9月に初ソロアルバム「Johnny Hell」を発表した。繊細なタッチで描かれる絵画も高く評価されており、絵本や画集などを発表している。2016年8月に新たなソロプロジェクト、浅井健一& THE INTERCHANGE KILLSを始動。メンバーは浅井健一、再結成も記憶に新しいNUMBER GIRLや、Crypt Cityでも活動中の中尾憲太郎(Ba)と、カナダやアメリカなどで活動してきた小林瞳(Dr)で、同年10月にシングル「Messenger Boy」、2017年1月にアルバム「METEO」を発表した。その後、3度のツアーを経て、2018年2月に同バンドの2枚目のアルバム「Sugar」をリリースし、3月からは全国ツアーも開催。2019年2月には浅井健一ソロ名義で約5年振りの新曲の配信リリース、5月にはシングルリリースと浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLSとして東名阪QUATTRO TOUR の開催も決定。


Official Website 浅井健一|SEXY STONES RECORDS

http://www.sexystones.com/

浅井健一 Instagram
https://www.instagram.com/kenichi_asai_official/?hl=ja

Twitter 浅井健一|SEXY STONES RECORDS
https://twitter.com/ssrstaff

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