驚愕の軽さながら超本格的なサウンドを奏でる多機能アンプ

VOX「VX50 GTV」徹底レビュー!【ノーナ・リーヴス 奥田健介による試奏動画付き】

VOX「VX50 GTV」徹底レビュー!【ノーナ・リーヴス 奥田健介による試奏動画付き】

2019/03/29

VOX VX50GTVは、軽量コンパクトなボディからは想像がつかない即戦力サウンドを奏でるギターアンプです。VOX伝統のAC30を含む数々のギターアンプをモデリングしたアンプシミュレーター、新時代の真空管「Nutube」、モジュレーション系と空間系の2系統のエフェクターを内蔵し、エディター/ライブラリアン・ソフト「ToneRoom」も用意されていますので、きめ細かな音作りも可能です。ここでは、そんな「VX50 GTV」の魅力を、ノーナ・リーヴスのギタリスト奥田健介さんによる動画レビューを交えて紹介していきましょう。

文:平沢栄司 写真:小貝和夫
 


●精密なモデリングで再現された10種類のギターアンプでプレイできる

「VX50 GTV」では、VOXの名機AC30はもちろん、英国や米国を代表する往年のチューブアンプの名機、近代的なハイゲインアンプやレアなブティック系など、10種類の中から曲調や好み、ギターとの相性に応じて最適なアンプをセレクトして音作りができます。そして、エレキギターだけでなく、アコースティックギターやキーボードにも対応するLINEタイプも用意されています。

「VX50 GTV」PROGRAM部からモデリングの切り替えツマミ

▲ツマミを回すだけでアンプのモデルが選択できる。トーンやエフェクトによる音作りを加えたプリセットが呼び出されるので、すぐに各アンプの特徴を活かしたサウンドで演奏可能だ。もちろん、選択後に右側に並ぶツマミで調整してもいいし、マニュアルモードを選べば従来のアンプと同様に自分で音作りを進めていくこともできる。気に入った設定ができたらユーザープリセットとしてメモリーしておくと、いつでも左上のPROGRAMのセクションから呼び出せるようになっている。

「VX50 GTV」POWER LEVELツマミ周り

 

また「VX50 GTV」で注目したいのが「POWER LEVEL」のツマミです。ギターアンプはVOLUMEツマミで音量を変更すると歪みや音色も一緒に変化してしまいますが、このPOWER LEVELツマミを利用すれば、音を変えることなく音量を変更できます。例えば、大音量でドライブしたチューブサウンドのまま、近所迷惑にならない小さな音量で迫力のあるギター・サウンドを鳴らすこともできるのです。

●ツマミで直感的に操作できる2系統のエフェクトを内蔵

内蔵エフェクトは、モジュレーション系と空間系の2系統を用意。前者はコーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロの4種、後者はアナログディレイ、テープディレイ、スプリングリバーブ、ホールリバーブの4種から選ぶことができます。
 

「VX50 GTV」エフェクトの2つのツマミ周り▲エフェクトの操作はシンプルだ。各つまみを一番左に回しきったところがバイパス。そこから右へと回していくと、その回転角に応じてエフェクトの種類とその効果の深さが変化していく。また、ディレイについては、右側のタップボタンを利用することで、タップした間隔に合わせたディレイタイムを設定可能だ。

 

●パソコンやスマホ等と連携して細かな音作りと設定の管理が可能

本体だけでも十分に音作りは可能ですが、パソコンやiOS端末、Android端末で利用できるソフト「Tone Room」を使うことで、VX50GTVのすべてのパラメーターにアクセスした音作りやセッティングの保存が可能となります(リアパネルにあるUSB端子を利用してパソコンや端末と接続します)。

「VX50 GTV」ソフトとの連携
エディタ/ライブラリアン・ソフト「Tone Room」▲エディタ/ライブラリアン・ソフト「Tone Room」の画面。左側には、本体のツマミで選択するモデルのプリセットの一覧が並び、選択したモデルに設定されているアンプやエフェクトとそれらの設定が右側のエリアに表示される。画面上でアンプやエフェクトの差し替えやパラメーターの変更を行うと即座に本体側に反映されるので、ソフト上でも音を確認しながらエディットすることができる(本体側の変更もソフトに反映される)。エディットしたセッティングはユーザーメモリーに保存しておくことも可能だ。

 

●オーディオインターフェイスとしても使用可能

「VX50 GTV」は、USBオーディオインターフェイスとしての機能も備えています(USB端子を搭載)。これにより、モデリングアンプやNutubeで得られたギター・サウンドを、マイクを立てることなく直接DAWソフトのトラックへレコーディングすることができます。さらに、ルーティングのモードを切り替えることで、DAWにレコーディングされたギターのサウンドをVX50 GTVへと送り、モデリングアンプやNutube、エフェクト、キャビネットシミュレーターを通したものを別トラックにレコーディングする「リアンプ」にも対応。音楽制作の幅が広がります。


●その他の機能や特徴

クールなデザインのABS製のキャビネットを採用することで、軽量コンパクトを実現。樹脂製でも剛性が高く、大音量で鳴らしてもビビるようなことはありません。また、バスレフ構造となっているため、サイズを超える豊かな低音が得られます。
 

ヘッドホン/ラインアウト端子▲ヘッドホン/ラインアウト端子にはキャビネットシミュレーターを搭載。夜間など音が出せないときやライン直結で録音するときもリアルなサウンドが得られます。また、AUXインに音楽プレイヤーなどを接続すれば、マイナスワンなどを鳴らしながらのプレイも可能です。
簡易チューナー機能

▲簡易チューナー機能も搭載。6弦の開放(E)の音に対して、ピッチのズレをPROGRAM部のLEDで表示してくれます。

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(まとめ)軽量コンパクトなキャビネットに高品位なアンプモデリング+エフェクトを内蔵した「VX50 GTV」は、自宅での練習から小規模なライブまでいろいろなシチュエーションで使えると思います。また、ソフトウェアとの連携による詳細な音作りとセッティングの管理、オーディオインターフェイス機能によりマイクを使わないレコーディングにも対応するなど、皆さんのギターライフをサポートする新しいタイプのギターアンプだと感じました。

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●奥田健介さん・レビュー動画におけるアンプのセッティングについて

奥田健介試奏イメージ1
奥田健介試奏イメージ2
サウンドメイク1

サウンドメイク①

サウンドメイク2サウンドメイク②
サウンドメイク3サウンドメイク③

 

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製品情報

VOX「VX50 GTV」
価格:¥27,500(税抜き)



◼︎スペック

アンプ・モデル数
:11(10+LINE)

エフェクト数:8

プリセット・プログラム数:11

ユーザー・プログラム数:2(VFS5使用時は8)

入出力端子:INPUT端子、ヘッドホン端子、AUX IN端子、FOOT SW端子、USB端子(Type B)

真空管:Nutube 6P1

パワーアンプ出力:最大約50W RMS @4Ω

スピーカー:8インチ(4Ω)

信号処理:A/D変換24bit, D/A変換24bit

サンプリング周波数:44.1kHz

消費電力:3.42A

外形寸法:354(W)x208(D)x313(H)mm

質量:4.1kg

付属品:ACアダプター(DC19V)、JamVOX IIIダウンロード・カード

アクセサリー:VFS2(フット・スイッチ)、VFS5(フット・スイッチ)


※製品の外観及び仕様は予告なく変更することがあります。
※製品の色調は実際の色と多少異なることがあります。


 
NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)NONA REEVES(ノーナ・リーヴス)
L→R:奥田健介 (Gt.)・西寺郷太 (Vo.)・小松シゲル (Dr.)

(Profile)
1995年5月、西寺郷太が「ノーナ・リーヴス」名義での活動を開始。ほどなく早稲田大学で同じ音楽サークルに所属していた小松シゲル、奥田健介が加入。1997年11月、ワーナーミュージック・ジャパンからメジャー・デビュー。ソウル、ファンク、80’sポップスなどに影響を受けた独自の音楽スタイルで、確かな支持を集めてきた。現在ではメンバーそれぞれがバンド外でも活躍。西寺郷太は音楽プロデューサー、作詞作曲家、執筆、MCとして。奥田健介は作曲家、及びレキシや坂本真綾などのギタリストとして。小松シゲルは佐野元春、オリジナルラブ、YUKIなどのサポート・ドラマーとして活動。メジャー・デビュー20周年を迎えた2017年、古巣ワーナーミュージック・ジャパンに復帰。3月にベスト・アルバム『POP’N SOUL 20~The Very Best of NONA REEVES~』、10月にはアルバム『MISSION』をリリース。2019年3月13日には16枚目となるオリジナル・アルバム『未来』をリリース。

 

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