作曲の手順とコツをレクチャー

初心者のための作曲法「第8回:コード進行を作ろう その4」

初心者のための作曲法「第8回:コード進行を作ろう その4」

2015/12/12


曲作りの基本を解説する連載の第8回。今回はJ-POPのヒット曲に見られる、様々なコード進行のテクニックを解説する。オリジナルのコード作りの際に、ぜひとも参考にしていただきたい。
 

01.サビ前でいったん勢いを止めてからサビで爆発させる進行

サビ前でいったん勢いを止めてからサビで爆発させる進行

参考曲:ゆず「with you」
セーニャ・アンドカンパニー
SNCC-89921
 

この曲は、イントロからグイグイと勢いを付けた後に、Bメロに挿入されるマイナー7th と、ダイアトニックコードではない「FM7」でガクンと勢いを落とした後、「C♯7」→「D」と上昇させて、その勢いを一気にサビで爆発させている。一旦落として上昇させることでインパクトを強めるという、コード進行で曲の勢いを調整するいい例なので、実際にギターで弾いて試してみよう。
 

02.メジャーコードとマイナーコードの3度の音だけで不気味な感じを醸し出すテクニック

メジャーコードとマイナーコードの3度の音だけで不気味な感じを醸し出すテクニック

参考曲:きゃりーぱみゅぱみゅ「ファッションモンスター」
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCL-11228
 

メジャーコードとマイナーコードの違いは、3度の音が半音異なるだけだが、この半音の違いを反復させることで不安感を醸し出すことができる。この曲のイントロでは「モンスター」の不気味さを、この単純かつ合理的なテクニックで表現しており、「F」と「Fm」の繰り返しになっているのが特徴だ。構成音の「ファ/ラ/ド」の「ラ」の音が半音下がるだけでインパクトを生んでいるのがわかる。
 

03.勢いを加速する経過音を使ったコード進行

勢いを加速する経過音を使ったコード進行

参考曲:ももいろクローバーZ「Z女戦争」
キングレコード
KICM-1400

この曲は、曲全体で「Em」→「G」→「A」→「B」というコード進行が使用されている。同じコード進行をたくさん使うことによって、曲のキャッチーな雰囲気をより強くリスナーに印象付けている。また、コード進行が上昇していくことで勢いを感じさせることができ、次のコードへ移る際には、その中間のコード(経過音)を挿入することで滑らかにコード同士を結んでいる。
 

04.sus4コードでコード進行をダイナミックかつ華やかに聴かせる

サビ前でいったん勢いを止めてからサビで爆発させる進行

参考曲:Mr.Children「祈り ~涙の軌道」
トイズファクトリー
TFCC-89371
 

「sus 4」というコードは3度の音が4度に変化したもので、清涼感のある響きを持ち、メジャーコードの前にこのsus4のコードを入れるのが一般的だ。この曲では「Asus4」→「A」という動きにより、ハーモニーが華やいだ感じになるだけではなく、躍動感も演出している。さらに、「A」の存在を際立たせることで、次の「D」への流れがよりスムーズになるという効果もあるのだ。
 


文:目黒真二

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